船木和久さん
つりショップ海風・漁師
秋田県男鹿市

船木和久さん
つりショップ海風・漁師
秋田県男鹿市
創業55年の漁具・釣具店「海風」のオーナーである船木さん。当初は漁師さん相手の漁具の専門店でしたが、「必ず釣りがレジャーになる時代が来る」というお父さんの先見の明により、釣り具ショップに。店内に小さな加工場を持ち、海産物の加工も手がけています。長年にわたって男鹿の海と共にくらし、プロアマを問わず海を愛する人々のいとなみを支えてきました。
広い店内には釣具がびっしりと並び、壁にはかつて釣ったあらゆる魚の魚拓が貼り巡らされていました。男鹿の水産業の1年の華を飾った冬のハタハタ漁。昔は5人乗りの船いっぱいにハタハタを揚げ、競い合うように1日何度も沖と港を往復し、それでも到底獲りきれないほど大漁だったそうです。ハタハタを満杯に積んだ船が偏って転覆するのを避けるため、船にマスを切って獲れたものを均等に入れたそうですが、10年ほど前から、ハタハタをはじめ海産物の水揚げ量が激減。マスは一つ二つと減っていき、ついに今年、船木さんが生きたまま獲ったハタハタはたったの7匹に。

もともと西の方の深海で過ごしていたハタハタが対馬海流に乗って産卵のために北上して流れ着いてきたのが男鹿の沖。しかし船木さんによると、近年の海水温の上昇やさまざまな理由で、男鹿の海が産卵に適さなくなってしまったのではないかとのこと。
店の加工場では、ギバサやとろとろワカメ、メジナ寿司などの加工を行っています。激減する海産物はハタハタだけではなく、海藻類も同じです。多量少品種から少量多品種に切り替えて何とか獲れる海産物を売っていこうと試行錯誤。シイラは安い食材ではあるものの、今でも釣れているので今後売っていきたい品種の一つ。また、この辺りではあまり食べられてこなかったという昆布など、新たな食材を扱い始めました。
遠い先祖は北海道の港町「留萌(るもい)」でニシン漁を営む網元だったという船木さん。現在は、同じく漁協の組合員である26歳の娘さんと一緒に海に潜り、サザエなどを獲るそうです。男鹿の未来における海と人とのいとなみを何とか繋げていこうとする姿には、脈々と受け継がれる漁師の血と意志が感じられました。

(近所の釣り仲間も魚をシめに船木さんの加工場を訪れます)
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