吉川恵さん
天草塩の会
熊本県天草市
吉川恵さん
天草塩の会
熊本県天草市
1991年、塩作りに理想的な地を求めて、パートナーの松本明生さん(享年70歳)とともに天草の須賀無田海岸にたどり着きました。以来34年にわたり、昔ながらの製法で塩を作り続けています。
吉川さんが作る塩は太陽の熱で結晶化させる「天日塩(てんぴえん)」と鉄釜を炊いて水分を蒸発させる「煎熬塩(せんごうえん)」の2種類です。
「天日塩」は濃縮した海水をサウナ小屋のような施設で、太陽の力で蒸発させ、ゆっくりと時間をかけて結晶化させていきます。季節によって時間は全く異なり、夏場はおよそ10日間、冬場は2〜3週間の時間を要します。「結晶のまわりに若干ですが“にがり”が多く残るのが特徴です。それが海を感じる味につながっているんだと思います」と吉川さんは教えてくれました。
かつては趣味で三線(さんしん)を弾いていた時期もあるそうですが、「今はまったく練習できていないですね。でも、ここで塩を作っている時間が何より好きなんです。火も、緑も、土も、海も。ここには全部そろっているお気に入りの場所です。私はこの場所でずっと塩を作り続けていけたらと思っています」と微笑みます。
(ほぼ自然に近い速度で、じっくりゆっくりと結晶する吉川さんの塩は、ミネラルなど海の養分が豊富)